東京都内にあるサントリー初のビール工場。製造工程など、工場を見学させていただき、天然水にまでこだわるビールづくりや、おいしさの秘密を学ばせていただきました。
ヒット商品「プレモル」発祥の地、サントリー〈天然水のビール工場〉東京・武蔵野へ
暑い夏、乾いた体を潤してくれる至高の飲み物といえば、ビールを挙げる人も多いのではないでしょうか。国内各メーカーが地方に工場を構える中、珍しく都内に構えられたビール工場が、サントリー〈天然水のビール工場〉東京・武蔵野です。1963年の開設以来、様々なビールを食卓に届けてくれたこちらの工場は、ヒット商品『ザ・プレミアム・モルツ』の発祥の地としても知られています。工場見学も実施するこちらの工場を訪問し、“うまさのヒミツ”に迫りました。
時代とともに移り変わる嗜好を追求し、諦めずに挑戦し続けてきた歴史
東京・武蔵野で工場PRの舵取りを担う井上光男氏にお話をお伺いしました。
サントリービールのこれまでは「挑戦の歴史だった」といいます。「1963年にこちらの武蔵野ビール工場が竣工し、ビール市場に参入しました。しかし当時は大手3社による寡占状態が続いていたのです。その後は、熱処理をしない生ビール『サントリー純生』や、日本初の発泡酒『サントリーホップス』など、こちらの工場で様々なビールや発泡アルコール飲料が誕生しました。それでもなお、ビール事業は40年以上赤字だったと聞いています。裏を返せば、消費者の皆様のニーズに合わなかったということです」と井上氏は歴史を振り返ります。
そうした苦難を経て誕生したのが、『ザ・プレミアム・モルツ』でした。世界的な酒類・食品等のコンテストであるモンドセレクションでは、ビール部門で日本初の最高金賞を受賞。以後、3年連続で最高金賞に輝きました。『ザ・プレミアム・モルツ』の成功について井上氏は、「美味しいビールをお客様にお届けしたい。その想いで工場一丸となってビールづくりに臨んできました。それは今も変わりません」と語ります。
- 取材にご協力いただいた
- サントリー〈天然水のビール工場〉東京・武蔵野
- ビールカンパニー 武蔵野ビール工場
- 武蔵野ビール工場 井上課長
- ご案内係 中川さん
ご家庭でできる!
『ザ・プレミアム・モルツ』の美味しい飲み方
「まずは温度が重要です。夏なら4〜6℃、冬なら6〜8℃ぐらいが、ビールが美味しく飲める温度帯です。そして事前に冷やしておいたグラスに、『ザ・プレミアム・モルツ』を注ぎます。注ぐとクリーミーな泡が出てくるので、その泡でビールにしっかりと蓋をして飲んでいただくと、口の中がまろやかになり、美味しく召し上がっていただけます。
ただし、ご家庭で味わう際には、理想的な泡を再現するのは難しいかと思います。そこでオススメなのが、超音波でクリーミーな泡を生み出す『ザ・プレミアム・モルツ 神泡サーバー』です。コンパクトサイズで携帯性に優れているので、いつでもどこでも活用できます。工場内のショップやオンラインでお買い求めいただけます」(井上氏)
粒選り麦芽100%使用 欧州産アロマホップ100%使用 天然水醸造
副原料を一切加えず、厳選された麦芽・ホップ・天然水のみを使用しているのが、『ザ・プレミアム・モルツ』の特徴です。
麦芽は、豊かな味わいのビールに適した二条大麦麦芽を使用。さらに、希少なダイヤモンド麦芽を加えることで、一層上品なコクと旨味を引き立たせます。ホップは、苦味が穏やかで華やかな香りが特徴のアロマホップを使用。さらに香り高いファインアロマホップを加えています。そしてビールの約9割を占める水。『ザ・プレミアム・モルツ』は、自然の地層によってろ過され、地下深くから汲み上げた天然水で仕込みます。
温めた天然水に砕いた麦芽を加えると、麦芽中の酵素の働きにより、麦芽中のでんぷんが糖に分解されます。そこにホップを加えて煮沸すると、ホップ特有の香りと苦味を持った麦汁ができます。
麦汁に酵母を加えて低温で発酵。酵母が麦汁中の糖を取り込んでアルコールと炭酸ガスを生成し、ビールの香りとなる成分をつくります。
発酵が終わったばかりの若ビールを、低温に調整されたタンクの中で熟成。ビールに炭酸ガスが溶け込むとともにオリが沈み、味や香りが徐々にまろやかになります。
熟成を終えたビールから、オリや役目を終えた酵母を取り除きます。徹底した衛生管理により、黄金色に澄んだ生ビールをつくることができます。
ビールの大敵である酸素を徹底的に排除し酸化を防ぐため、完成したビールは徹底した酸素管理のもと缶や瓶、樽などの容器に詰められます。
サントリー 〈天然水のビール工場〉東京・武蔵野では、ご案内係と工場内を見学しながら、ビールの製造工程について学べるガイドツアーを随時開催しています。見学後は、こだわりのビールもお楽しみいただけますよ!
※詳しくはホームページでご確認ください
サントリーの工場は、良質な天然水が地下に眠る場所であることが条件。
東京・武蔵野の地に〈天然水のビール工場〉があるのも、こうした理由があります。
サントリー〈天然水のビール工場〉東京・武蔵野は、都内で唯一となる大手ビール会社の工場。仕込設備などを間近で見ることのできる工場見学は、連日大盛況です。
こちらの写真は、パッケージングが行われているエリア。こちらの工場では、1分間に約1500本の「ザ・プレミアム・モルツ」がパッケージングされ、お客様のもと(主に首都圏)へ出荷されています。
※記事に掲載した内容はT’s WEB取材時の情報です。実際の見学ツアー内容とは異なりますので、お出かけの際は公式サイト等で最新情報の確認をしてください。
いつまでも、天然水が美味しくあるために
天然水とともに歩むサントリーだからこそ、できること。
ビールの約90%は水だといいます。国内のビールメーカーで唯一、ビール造りに天然水を用いているサントリーだからこそ、貴重な水資源を守る企業活動に積極的です。その思想は、「水と生きるSUNTORY」というメッセージにも込められています。
そうした活動の一つが、全国で長年取り組んでいる水資源を守る森づくり。「ビール工場のサントリーの全従業員は、天然水の森に必ず出向いて、森林の整備体験をするという研修があります」と井上氏が語るように、森づくりの考え方は、従業員一人ひとりにしっかりと浸透しています。
さらには、こうした美しい水を未来へとつなぐ次世代環境教育「水育(みずいく)」にも注力。小学生を対象に、森と水の学校と、出張授業を中心に活動をしているそうです。
50年、100年先の未来もずっと、天然水が美味しく清らかであり続けるように、これからもサントリーの森づくりは続いていきます。
サントリー 〈天然水のビール工場〉 東京・武蔵野
- 所在地:〒183-8533 東京都府中市矢崎町3-1
- 営業時間:9:30 ~ 17:00
- ショップ営業時間:11:00 ~ 16:50
- 休業日:年末年始・工場休業日(臨時休業あり)
- 予約受付番号 042-360-9591
- 電話受付時間 9:30-17:00
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