いよいよ来年4月に迫った
大阪・関西万博の近況に迫る
過去2回にわたって取材を行ってきた大阪・関西万博。開催を来年に控え、国内外の出展パビリオンもいよいよ詳細が発表されつつある。さまざまなパビリオンの具体性が見えてきたことで、自ずと期待も高まっていることだろう。では、実際にどんなパビリオンが出展され、どのような未来体験ができるのか。3回目の大阪・関西万博特集となる今回は、大阪府と大阪市が中心となって産学官民一体で出展する「大阪ヘルスケアパビリオン Nest for Reborn」の取材を実施。ミライの自分に出会うことのできる「REBORN体験」などについて詳しく話を伺った。
会場には、161か国・地域と9の国際機関※が参加するほか、8名のプロデューサーがつくる「シグネイチャーパビリオン」、民間パビリオン、日本館など多くのパビリオンが立ち並びます。会場は、四方を海に囲まれたロケーションを活かした、世界とつながる「海」と「空」が印象強く感じられるデザイン。万博会場のシンボルである世界最大級となる木造建築の大屋根リングも間もなくつながります。外周は約2キロで「多様でありながら、ひとつ」とうい本万博の理念を表しています。
大阪・関西万博において参加が予定されているパビリオンの内訳は、諸外国が64、民間企業や団体が13、選ばれたプロデューサーによるテーマ事業(シグネチャーパビリオン)が8、そのほか、日本館、内閣府や経済産業省などによるウーマンズパビリオン、大阪府と大阪市による大阪パビリオン、関西広域連合の関西パビリオン。最も広い日本館に次ぐ規模となっているのが、大阪府と大阪市が出展する「大阪ヘルスケアパビリオン」である。自治体のみならず、産業界・企業、教育・研究機関、府民・市民とともに、産学官民一体となってオール大阪で出展することが特徴だ。
MIRARTH HOLDINGSも協賛させていただいている「大阪ヘルスケアパビリオン」について
出展総括課長である山縣 敦子さんにお話を伺いました。
25年後の自分に出会う。
「大阪ヘルスケアパビリオン」が掲げる出展参加のテーマは「REBORN(リボーン)」です。すべての「人」が自分らしい生き方を見つめ直すことで価値観や生きがいの発見・再認識をし、新たな自分に生まれ変わるという意味と、一人ひとりの意欲・意識の変革によってより良い生活環境や暮らしやすい社会づくりへの新たな一歩を踏み出すきっかけをつくるという意味があります。このテーマに基づくメインの展示が、2050年の自分に出会える「REBORN体験ルート」です。PHR(Personal Health Record)という個人の健康などの情報をもとに、25年後、つまり2050年の自分自身に出会うことができます。 また、常設展示には関西ゆかりの企業等約30社に参加いただき、週替わりで展示する中小企業・スタートアップが377社。合計400社以上におよぶ企業のアイデアと最新技術が詰まったパビリオンになります。ごく一部のみをご紹介させていただきますと、例えば、株式会社サイエンスさんは「ミライ人間洗濯機」と「宇宙シャワー」、日本生命保険相互会社さんは「人生ゲームREBORN in 2050」、ロート製薬株式会社さんは「ミライの再生医療」と「ミライのアイケア」を、それぞれテーマとして出展されると伺っています。
産学官民、オール大阪で取り組むパビリオン。
メイン展示の「REBORN体験ルート」は、自分の未来を知るだけでなく、家族で一緒にお子さんたちの25年後の姿を見て「お父さんと似てるわー」と楽しんでもらえるはず。全員が同じ展示を鑑賞するのではなく、一人ひとり異なる体験ができるところが「大阪ヘルスケアパビリオン」の特徴です。 「REBORN体験ルート」は事前予約が必要ですが、中小・スタートアップ企業の展示・出展ゾーンなどは予約不要です。さらに、アトリウムでは、iPS細胞による生きる心臓モデル等の再生医療に関する展示もあり、大阪・関西の再生医療のポテンシャルと未来の再生医療を学ぶことができます。続いて「ミライの大阪の食・文化」というエリアでは、さまざまな食事をテイクアウトできるほか、物販なども行っています。建物の外には催事ステージがあり、ここでは毎日さまざまなイベントが開催される予定です。もともと万博は、世界の課題をどう解決していくのかを提示することが本質です。けれども行政だけでは社会課題を解決できない時代になっています。一方で、大阪や社会を良くしたいという想いは、行政、大学、企業、皆同じです。だからこそ、産学官で連携することに意義があります。実際、パビリオンを創り上げるにあたって、大学等の研究機関や協賛企業の方々とたくさん話し合うきっかけができました。企業間、各種団体、学生の皆さんとの交流も深まっています。こうした交流がきっと良いレガシーとなり、今後のビジネスの発展にもつながるはず。それは大阪にとっても良い影響を及ぼします。(山縣さん)
カラダはひとつ。ミライはむげん。
メイン展示の「REBORN体験ルート」では、現在の健康状態から「ミライの自分」というアバターを生成できるのですが、その生成に必要となる個人の健康等に関する情報がPHR(Personal Health Record)です。PHRは、7つの測定項目として、心血管、筋骨格、肌、髪、脳、視覚、歯などを検討中です。「ミライの自分」に出会ったあとは、「ミライのヘルスケア」と「ミライの都市」でのさまざまな展示体験を通して、ミライの自分が生まれ変わっていくことを体験することができます。 より理想的な未来の自分になるために、健康にいいことをしたり、人とのつながりを意識してみたり、そうやって行動を変えていけば未来の自分を変えることができる。それこそが「人は生まれ変われる」というメッセージとなっています。一人ひとりの考え方とか行動が変われば、自分の体だけではなく、地域社会も変わっていくでしょう。やがて日本も変わるだろうし、世界も、地球だって変わることができる。未来は無限なんです。パビリオンの内部がいくつかの卵型でレイアウトされているのも、生まれ変わりをイメージしているためです。(山縣さん)
「REBORN体験ルート」(要予約)の楽しみ方
まずは大阪・関西万博の公式ウェブサイトでチケットを購入し、「大阪ヘルスケアパビリオン」を予約します。
その後、専用アプリまたはウェブを利用して、自分の基本的な情報を入力しておきましょう。
当日、パビリオンにて説明を受けると「REBORN体験ルート」の体験用バンドが発行されます。
パビリオンの説明には、コンセプト映像に体験案内を加えたブリーフィング映像が上映される予定です。
体験用バンドを腕に巻いたら、いよいよREBORN体験の始まりです!
ミライへのゲート(PHRポッド)
センシングスポットとなっているPHRポッドに入り、7つの項目で個人のデータ(PHRデータ)を測定します。測定項目として、心血管、筋骨格、肌、髪、脳、視覚、歯などが検討されています。
リフトライド
データを測定したら2階へ移動。2階へはリフトライドで上昇します。上昇中は、リフト内に設けられたスクリーンを通して、上昇動作を活かした未来都市を望む体験ができます。
ミライの自分
上昇した先で、PHRデータをもとに25年後の自分を3Dで表現したアバターと出会うことができます。これまでのアプリ導入されていたようなエイジング技術よりも、さらに精度の高いエイジング機能が導入されます。
ミライのヘルスケア
協賛企業による体験展示エリア。「ミライの再生医療」、「ミライのヘルスケアサロン」、「ミライの口腔ケアと環境ケア」など、栄養・身体・心に関するさまざまミライのヘルスケア体験ができます。
ミライの都市
協賛企業による2050年頃を想定した「ミライの都市」体験展示。
体験ルート以外にも楽しめる様々な見どころ!(予約不要※)
ミライの大阪の食・文化
大阪産(もん)の活用など、大阪の豊かな食文化・新たな食文化を発信
展示・出展ゾーン (中小企業・スタートアップ)
優れた大阪の中小企業・スタートアップの技術・サービスを展示
ミライのエンターテインメント※要予約
ARグラスなど先端技術を用いたXR※2シアター
アトリウム
光が降り注ぐ幻想的な空間
再生医療などをテーマとした展示を実施
催事スペース
水盤上のステージで市町村や企業のイベントを開催
アクアポニックス
地球をイメージした透明な球体で水耕栽培と陸上養殖の循環型生産システムを展示
さまざまな最先端技術に直接触れるということは、未来を担う子どもたちにとっても、貴重な体験です。ミライの自分に出会ったとき、「これってどういう技術なんだろう?」と疑問に思うことが、学びのきっかけになるはずです。他にも、出展している企業さんに興味を持ち、将来は就職したいと思うかもしれません。再生医療を知り、医療に関わる仕事やサイエンスに関わる研究に興味を持つこともあるでしょう。このようにデジタルでは伝えられないものをリアルで見せるということが大事であり、何より人材育成につながるだろうと考えます。
また、世界各国がパビリオンを出展していますから、世界中の人に出会えるきっかけにもなります。各国のパビリオンに行けば、その国の方々に出会えます。コミュニケーションだって取れる。それが、いつかその国に行ってみたいと思うきっかけにもなるかもしれません。こうした体験が夢洲でできることが、とってもすごいことだと思います。大人はもちろんですが、ぜひ多くの子どもたちにも来場いただきたいですね。(山縣さん)
日本館
「いのちと・いのちの、あいだに」をテーマに、大阪・関西万博のテーマである「いのち輝く未来社会のデザイン」を開催国としてプレゼンテーションする拠点。万博会場内で出たごみが、微生物のはたらきによって分解され、バイオガスとして再生される。その過程を追体験しながら、プラントで生み出されたエネルギーが日本館を動かすさまを体感する「生きたパビリオン」です。3つのゾーンで構成される館内をぐるりと一周することで、日本の美意識である「循環」の意義を理解し、自分自身も、その果てしなく壮大な物語の一部であることを感じることができます。
ウーマンズ パビリオン in collaboration with Cartier
内閣府、経済産業省、カルティエ、博覧会協会が出展するパビリオン。女性たちの体験や視点を通じ、公平で持続可能な未来を志すことを来場者に呼びかけます。パビリオン内2階にある「WA」スペースは、アイデア、思考、観点の合流点としてアゴラ (ギリシャ語で人が集まる場所)の役割を果たします。この共用スペースでは専門家たちを招き、パネルディスカッション、講演会、展示会、デモンストレーションなどを通じて、親密な雰囲気の中で、喫緊の課題を掘り下げていく予定です。
関西パビリオン
滋賀、京都、兵庫、奈良、和歌山、鳥取、徳島、福井、三重の9府県が出展に参加。テーマは「いのち輝く関西悠久の歴史と現在」です。このテーマには、関西の悠久の歴史(過去)と現在に触れ、感じてもらうことで、未来の姿を来訪者それぞれに描いてもらいたいという思いを込めています。出展参加府県による独自展示エリア(府県ゾーン)は、それぞれの府県がそれぞれ趣向を凝らした展示を展開。センターサークルの周りに放射状に配置し、来館者が訪れたい府県の展示に自由にアクセスできる動線としています。
NTT Pavilion “Natural”
大容量・低遅延・低消費電力の次世代インフラ“IOWN”をはじめ、NTTグループのもつ最先端のR&D技術をフル活用し、遠くの人やものと空間や感覚を共有できる、新しい体験価値を提供。パビリオンのテーマである「Natural」をリアル・バーチャルで体現し、来場者にワクワクするような未来のコミュニケーションの形をお見せします。
電力館 可能性のタマゴたち
社会の基盤を支える電力業界ならではの視点で未来社会を描きます。エネルギーに関する“可能性のタマゴ”を数多く体験することで、「エネルギーの可能性で未来を切り開く」ことを感じることができます。外観はボロノイ構造のタマゴ型にするとともに、膜の色を天候や時間帯などによって多様に見え方が変わるシルバーとなっています。
住友館
森の中で様々な “いのちの物語”に出会うインタラクティブな体験や、来場者が参加できる「植林体験」を実施。植林した木々が、数十年後、100年後、時を超えて、未来へ脈々と受け継がれていきます。また、住友館で過ごす時間が原体験となり、森や自然と向き合い、未来へ想いを馳せる大切さを感じ続けるきっかけを提供します。
パナソニックグループ パビリオン「ノモの国」
「モノとこころは写し鏡のような存在である」という考え方からパビリオン名称を「ノモの国」と名付けました。コンセプトは“解き放て。こころと からだと じぶんと せかい。”子供たちが、こころの持ちようが変わるような体験を通じて「自分を信じるチカラと一歩を踏み出す勇気」を抱くきっかけを提供します。
ORA外食パビリオン『宴~UTAGE~』
コロナ情勢や世界の食の都市間競争により、かつてないほど変わり続けている外食産業。そのような今こそ、人が賑わう「熱量のある外食」が必要だという提案。新しい外食のあり方を、世界に「宴~UTAGE~」として定着させていくとともに、5つのアクションである、おもてなし、食体験、新境地、賑わい、外食産業の発展を目指します。
三菱未来館
「いのち輝く地球を未来に繋ぐ」を基本コンセプトとし、「いのちの始まり、いのちの未来」そして「いのちの尊さ」「いのちの出会いと共に生きる奇跡」といった様々な思いを感じることができる、地上に浮かぶマザーシップのような建物。地下空間からパビリオンを巡り、未知なる深海から遥かなる宇宙へ、いのちを巡る壮大な旅へとご案内します。
よしもと waraii myraii館
丘の上に浮かぶ笑顔の球体(直径約20メートル)をメインエントランスに、さまざまなイベントやショーを楽しむことができる広場で構成。SDGsの先にある、本当の「いのち輝く未来」のため、笑いの新しい可能性を拡げていくことをコンセプトに、言葉や文化を超えた楽しい展示やコンテンツを展開していきます。
PASONA NATUREVERSE
「いのち、ありがとう。」をコンセプトに掲げ、“いのちの象徴”である心臓を作り上げるiPS心筋シート等の最新テクノロジーをはじめ、様々な展示を行います。鉄腕アトムがパビリオンのナビゲーターを務めるほか、ブラック・ジャックが未来の医療のあり方や、人にも環境にもやさしい食べ物等を紹介します。
GUNDAM NEXT FUTURE PAVILION
パビリオンの外観デザインイメージは未来のスペースエアポート。パビリオン内は「ガンダム」の世界観を感じられる演出を計画しています。約17mの実物大ガンダム像は、宇宙そして未来へと手を差し伸べる新たな姿で登場します。GUNDAM NEXT FUTURE PAVILIONは「ガンダム」を通して世界中の人々とつながり、ともに「未来」を考えるきっかけの場になることを目指します。
TECH WORLD
高くそびえる群山から着想を得た「心の山」が建築デザインコンセプト。「都市×地方」、「大自然」、「暮らし」のエッセンスとデジタル技術や立体映像技術を融合させた展示を通じて、来場者の視覚・聴覚・嗅覚・触覚・味覚・感性といった「六感」と交流します。また、デジタル技術を用いて、先端技術が我々の生活にもたらす変化を紹介します。
ガスパビリオン おばけワンダーランド
「化けろ、未来!」をコンセプトとし、「おばけ」たちと一緒に、未来が「化ける」ドキドキ・ワクワクな体験のできる来場者参加型のエンターテインメントパビリオンです。カーボンニュートラル社会の実現に向け、私たち一人ひとりが意識や行動を変える(化ける)ことの大切さを伝えながら、未来の新たなエネルギーなどを紹介します。
飯田グループ×大阪公立大学共同出展館
外観コンセプトは「サステナブル・メビウス」。幸せに暮らしたいという人々の変わらない想いと輝く「いのち」への希望を表現しました。特殊加工された西陣織の生地をまとうことで、伝統と進化の融合を具体化。建物内では、新技術や健康的で快適に暮らせる「未来型住宅」や「まちづくり」を紹介します。
ほかにも、会場のあちこちに未来を意識したスポットが充実しています!
静けさの森
賑わいのある会場の中で、ひときわ静かで落ち着ける場所として整備されているのが、会場中心部の「静けさの森」。散策したり、木陰で休憩したりすることができます。面積は約2.3ヘクタールで、甲子園球場の半分ほどの大きさ。環状の大屋根リングの内側に位置し、1970年大阪万博の会場跡地・万博記念公園(大阪府吹田市)をはじめ大阪府内の公園等から将来間伐する必要のある樹木を含め、静けさの森全体として約1500本を植樹。また、中心部には直径約20メートルの池が配置される予定です、完成は2025年の2月末を予定しています。
「大阪ヘルスケアパビリオン」のテーマは、“REBORN”だと教えていただきました。
人も地球環境も、変えることができるからこそ、私たちは明るい未来に視線を向け、
無限の可能性を秘めた次代に期待を込めることができる。
大阪・関西万博は、私たちの未来にどんな可能性を見せてくれるのだろうか。
全貌が詳らかになるほどに、その期待値も高まってきます。
およそ90というパビリオンの規模感、ここで見たもの聞いたもの、体験したものは、
きっと一人ひとりの未来に活きるレガシーになるものばかり。
いよいよ迫る、2025.4.13 ── 行こう、大阪へ!
充実する体感で生きるチカラと勇気を享受しよう EXPO 2025 OSAKA!
大阪・関西万博入場チケット購入者対象
プレゼントキャンペーン
「ミャクミャクぽん!」が始まります!
公益社団法人2025年日本国際博覧会協会は、2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)の入場チケット購入者を対象としたプレゼントキャンペーン「ミャクミャクぽん!」をスタートします。
「ミャクミャクぽん!」は、万博IDを登録し、対象購入期間(2023年11月30日から2024年10月6日まで)に入場チケットを購入した全ての方を対象に、抽選で豪華景品が当たるプレゼント企画です。入場チケットの年齢区分(大人、中人・小人)別に、万博会場だけでなく会場外の加盟店での決済に利用できるEXPO2025デジタルウォレットの電子マネー「ミャクペ!」や、本キャンペーン限定デザインのグッズ詰め合わせが、合計5,000名に当たります。
当協会公式WebサイトやSNSのほか、イベントなどで「ミャクミャクぽん!」をお知らせし、開幕が近づく大阪・関西万博にむけて、多くの方にワクワク感を高めていただくとともに、入場チケットの更なる販売促進を図っていきます。
詳しくはキャンペーン特設サイトへ
https://www.expo2025.or.jp/lp/lottery01/