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blessings of seasonal food

旬を食す。

季節のものをいただき、免疫力を高め、
健やかな身体へ。

日本の風土の特色、それは四季があるということ。四季にはそれぞれ旬の食材があり、それらを上手に摂取することで、私たち日本人は身体のバランスを整え、健康を保ってきました。実際、栄養学などのなかった時代から“初ものは縁起がいい”と人々に愛され、「初ものを食えば七十五日生きのびる」とも言われていました。こうして受け継がれてきた初ものへの感謝には、無病息災を願う先人たちの知恵が活かされています。
自然の恵みに沿った四季のサイクルに沿うように、生理的にバランスをとっているのが、私たちの身体です。旬の野菜や魚などを食べることが、免疫力を高めたり、抵抗力をつけたりと、丈夫な身体づくりにつながるということ。今回の特集では、春に旬を迎える食材を使った料理をピックアップし、その工程と魅力を紹介します。

久保崇裕 くぼたかひろ

旬の食材を使った料理を推奨している
旬食料理研究家の久保崇裕さんに
旬食の魅力を伺いながら、
家庭でもできる「旬食」のレシピを教えていただきました。

旬食料理研究家

久保崇裕 くぼたかひろ

徳島県出身 大阪在住
旬食料理研究家、料理家、お酒のアテ研究家、発酵マイスター、
サウナ健康アドバイザー、阿波ふうどスペシャリスト、おうちごはんフォトグラファー
『自分思いのいい加減ごはん』をコンセプトに旬の野菜や食材と
発酵食品を使った料理を得意とし、時代に応じた、日々、無理なく、美味しく、
健康な、ちょうどいい加減のおうちおつまみごはんを提案しています。

INTERVIEW

現在ではほとんどの野菜を年間を通して食すことができますが、やはり旬のものであるほど、美味しくて栄養価が高くなります。その季節ごとに最も必要とされる栄養素を摂ることができるので、旬の食材を食べ続けていれば、基本免疫力を高める効果が期待できるでしょう。
旬の食材をすべて覚えるのは難しいかもしれませんが、見分ける方法はいくつかあります。例えばスーパーに行って野菜コーナーを見たとき、旬のものほど売場面積が広くなっているかと思います。それだけ流通量が多くなるためです。逆に旬を過ぎてしまうと流通量も減るため、売場面積は小さくなります。また、桜や梅雨に前線があるように、実は食材の旬にも前線があって、産地を見てみるのも良いでしょう。例えば、旬の始まりは前線が西にあるため、鹿児島県産など西で採れたものが多くなります。この前線がだんだん北上し、旬の終わり頃には東北で採れたものが多くなる傾向にあります。

春にぜひとも味わっていただきたい旬の野菜と、春の旬を料理する上での
ポイント。

一言で「旬」といっても、その時期はさらに「走り」「盛り」「名残り」の3つに分けることができます。「走り」というのは、まだ市場に完全に出回る前でやや高価になりますが、淡く柔らかい味わいという特徴があります。そして「盛り」から「名残り」へと移ることで、水分量が減り、濃い味わいになります。春に旬を迎える野菜といえば、菜の花やセロリなど、葉物の野菜になります。セロリなどは通念見かけるとは思いますが、ほとんどが外国産なんですね。ただし旬である3〜5月になると、国産のセロリが流通します。セロリは国産と外国産とでだいぶ味が違うんです。「クセが強い」と苦手意識のある方も多いかもしれませんが、国産のものはクセがあまりなく、まろやかな味わいで食べやすいと思います。
春の旬を料理する上でのポイントは、下処理をしっかりやることですね。山菜や筍など、春に旬を迎える野菜は灰汁が強い傾向があるので、下処理をしないと食べられないことが多い点に注意しましょう。

INTERVIEW
食材写真
食材写真
食材写真
旬の食材は栄養素も豊富
blessings of seasonal food

春レシピ

cooking

ほっこりと温まる
和と洋の春色レシピ

まだ少し肌寒さの残る花冷えの季節に、
心も体も温まる春らしい料理を。
グラタンと味噌汁という
和洋折衷の組み合わせも意外にマッチ。

レシピ

鶏肉と春野菜のグラタン

鶏肉と旬のアスパラガス、春トマトをメインに、新玉ねぎなども入った春のグラタン。
意外と知られていない春が旬のトマトを使って、春らしいグラタンに。

鶏肉と春野菜のグラタン
鶏肉と春野菜のグラタン
作り方

作り方

1

にんにくは皮をむきみじん切り、新玉ねぎは薄切り、鶏もも肉は一口サイズ、大玉トマトは8等分に切り、しめじは石突を切り落として、ばらばらにしておく。アスパラガスは半分くらい皮をむいて4等分に切る。

2

フライパンにバター、みじん切りニンニク、新玉ねぎ、しめじ、鶏もも肉を加えて、鶏もも肉に火が通るまで中火で炒め、少しずつ小麦粉を加えて混ぜ合わせながら炒めていく。

3

2に牛乳を少しずつ加えながら混ぜ合わせてとろみをつけていき、味噌を加える。味見して塩胡椒で味を整える。

4

グラタン皿にバターを塗っておく。

5

3をグラタン皿に入れて、アスパラガス、トマト、とろけるチーズをのせて、180度で8分~12分くらい焼き目がつくまで焼く。

丸ごと新玉ねぎの味噌汁

水分を多く含み、柔らかくて甘い新たまねぎを丸ごと味噌汁に。
付け合わせの野菜は、菜の花と春トマト。
見た目のインパクトもさることながら、食べ応えのある味噌汁です。

丸ごと新玉ねぎの味噌汁
My recipe 材料2〜3人分
  • 新玉ネギ:2個
  • ミニトマト:2〜3個
  • 菜の花:2〜3本分
  • 出汁:300ml
  • 味噌:大さじ2

作り方

1.
新玉ねぎの皮をむいて、根の部分と頭の部分を切り落とし、上の部分に十字に切り込みを半分いれ,耐熱皿にのせてラップをし、600Wで4分くらい火が中までとおるまで加熱する。
2.
ミニトマトは半分に切る。
3.
鍋に出汁を加えて中火で一煮立ちさせ、ミニトマトと菜の花を加え、30秒くらい煮る。
4.
汁茶碗に1の加熱した新玉ねぎを入れて、3を入れて盛り付ける。
春トマトと春キャベツと
クリームチーズの塩麹和え

夏以外にも旬となるトマトを使って、柔らかい春キャベツとクリームチーズを塩麹で和えるだけで春らしい副菜に。
簡単に作れて、おつまみにもなる旬の一品です。

春トマトと春キャベツとクリームチーズの塩麹和え
My recipe 材料2〜3人分
  • ミニトマト:6個
  • 春キャベツ:1/6玉
  • クリームチーズ:30g
  • 塩麹:大さじ1
  • レモンの皮:1/6個分

作り方

1.
ミニトマトは半分に切り、春キャベツは大きめに四角く切る。
クリームチーズは食べやすい大きさに。レモンの皮は千切りに
2.
1を塩麹で和える。
cooking

パスタをメインに
海の幸も春野菜を贅沢に堪能

春が旬となる魚介と野菜の両方を味わうことのできる、
パスタとカルパッチョ風。
春野菜をたっぷり摂り入れたスープも並べて、
洋風メインのテーブルに。

レシピ

筍とホタルイカのオイルパスタ

旬の筍とゆでホタルイカを加えて、オイルパスタに。
旬の菜の花などで、彩りを加えます。山と海、両方の春を一緒に味わえる一品です。

筍とホタルイカのオイルパスタ
作り方

作り方

1

筍は短冊切り、ゆでホタルイカは目玉をとっておく。菜の花は食べやすい大きさに切る。ニンニクは皮をむいて輪切りに。

2

パスタを茹でるお湯を鍋に沸かして、塩とオリーブオイルを加えて、指定の茹で時間の1分早く茹でる。

3

フライパンにニンニクの輪切りとオリーブオイルと輪切り唐辛子を加えて、中火でふつふつと沸いてくるまで、加熱する。

4

3にゆで筍とゆでホタルイカを加えて、酒を加えてさっと炒める。

5

菜の花とパスタのゆで汁を加えて、オリーブオイルとゆで汁が混ざりあって少し白くなるように混ぜ合わせる。味見をして、塩と胡椒で味を整えたら完成。

初カツオのたたき 
春野菜たっぷりカルパッチョ風

初カツオのたたきを薄く切って盛り付け、
春野菜の新たまねぎのスライス、春トマトを盛り付け。
市販のタレを使わないところが、こだわりポイントです。

My recipe 材料2〜3人分
  • かつおのたたき:200gくらい
  • 大玉トマト:1/2個
  • 新玉ねぎ:1/2個
  • 大葉:4枚

A(タレ)

  • 塩:小さじ1/4
  • 砂糖:小さじ1/3
  • 米酢:大さじ1/2
  • オリーブオイル:大さじ1と1/2
  • レモン汁:大さじ1
  • 粗挽き胡椒:少量(小さじ1/6)

作り方

1.
大玉トマトはイチョウ切り、新玉ねぎは繊維を断ち切るようにして薄くスライスし、空気に15分以上さらして辛みを抜く。大葉は細切りに。
2.
かつおのたたきを5mm程度に切り分け、1と共に器に盛り付ける。
3.
Aを全て混ぜ合わせて、2にかける。
たっぷり春野菜のスープ

アスパラガス、春キャベツ、新玉ねぎ、春トマト、セロリなど彩り豊かに。
シンプルな味付けで春の野菜をたっぷり味わえるスープです。

My recipe 材料2〜3人分
  • 春キャベツ:1/4玉
  • 新玉ねぎ:1/2個
  • アスパラガス:3本
  • 大玉トマト:1個
  • セロリ:1/2本
  • ベーコン:30g
  • 水:600ml
  • おろしにんにく:小さじ1/2
  • オリーブオイル:大さじ1
  • 塩:小さじ1
  • 粗挽き胡椒:適量

作り方

1.
春キャベツ、新玉ねぎは大きくくし切り、大玉トマトは大きめに角切りに。 アスパラガスは根本から半分は皮をむき4cm幅に切る。 セロリは1cm幅に切る。 ベーコンはたんざく切りに。
2.
鍋に水を沸かしてから、アスパラガス以外の野菜とベーコンを加えて、一煮立ちさせる。
3.
アスパラガスとおろしにんにくとオリーブオイルと塩と粗挽き胡椒を加えて、2分ほど煮て、味見をして塩など加えて味を整える。

取材でお世話になった久保先生のその他のレシピはこちらから

久保崇裕
旬食料理研究家
久保崇裕のレシピルーム
https://oceans-nadia.com/user/447339/recipe

旬の野菜や食材と発酵食品を使った料理を得意とし、時代に応じた、日々、無理なく、美味しく、健康な、ちょうどいい加減のおうちおつまみごはんを提案しています。

取材でお世話になった久保先生のその他のレシピはこちらから

みそ汁食堂みそら
  • みそ汁食堂みそら
  • ランチ:金~月曜11:45~15:30(Lo.14:45) ランチ定休日:火水木(不定期営業あり)
  • 土日祝はお一人様限定(お二人様は要予約)
  • 最新スケジュールはInstagramにて @mi_sora0617で確認してください。
  • 久保先生は火・水の夜営業の「うらみそら」にて、18:00~22:00(Lo.21:30)で料理を担当。
  • 最新スケジュールは「うらみそら」のInstagram(@ura_misora2023)でチェックしてください。
  • 大阪市北区中津1-14-5

ほとんどの食材が年間を通して食べられるようになった現代ですが、久保さんが語ったように、旬だからこそ堪能できる味わいと、豊富な栄養価があります。スーパーに買い物に行ったとき、旬の野菜を意識して選んでみるのも良いでしょう。日本の四季を、また違った角度から愛することができるかもしれません。
また、旬の野菜を求めるなら、自分で育ててみるというのもオススメ。実は、家庭菜園をすることで補助金を支給している自治体があるというのをご存知でしょうか。例えば都内のさまざまな行政区でも、それぞれルールは異なりますがプランター栽培で助成金を受け取ることができます。お得に旬の野菜を育て、自分が愛情を込めて育てた旬の野菜をいただく。それもまた、日本という風土や四季を堪能する贅沢だといえます。

旬の食材を味わい、
健やかに楽しい日々を

blessings of seasonal food

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